夜中に何度も目が覚めてしまうとき
「まとめて眠れたのは、いつが最後だろう」
夜中に一度目が覚めて、時計を見て、また眠る。それを二度、三度。朝になると、眠った気がしない。
本人はもう、それが自分の眠り方だと思っています。
途切れる眠りという習慣
眠りは、深いところまで降りてから、少しずつ浮き上がってきます。浮き上がったところで警戒が残っていると、そこで目が覚めます。
一度こうなると、体は「このあたりで起きるもの」として覚えます。覚えたあとは、疲れていても同じ時刻に目が開きます。
寝つきの工夫では届かないところ
ここで多くの方がされるのは、寝る前の工夫です。早めに布団に入る、画面を見ない、部屋を暗くする。
寝つきは良くなることがあります。それでも夜中に目が覚めるのは、問題が入口ではなく、眠っているあいだの深さのほうにあるからです。
眠れなかった翌日に「今夜こそ」と思うのも、たいてい逆に働きます。眠ろうとする力は、眠りをいちばん遠ざけます。
目が覚めたあとに始まるもの
困るのは、目が覚めること自体よりも、そのあとです。時計を見て、残り時間を計算して、明日のことを考え始める。
夜中の思考は、昼とは別の重さを持ちます。比べる材料がなく、相談する相手もいないので、出口のない方向へ進みます。
朝になれば大したことではなかったと分かる。それでも次の夜、同じ時刻に、同じところから始まります。
久しぶりの深い眠りのあと
何年ぶりかでまとまって眠れた朝は、うれしさと同時に、また戻ってしまうのではという気持ちが湧きます。
一晩で習慣が変わるわけではないので、次の夜にまた目が覚めることもあります。それでも、眠れる体がまだあると分かったことは、確かに残ります。
戻れる場所があると知っていれば、途切れる夜が来ても、以前ほど焦らずに済みます。一度の夜は続きの夜を約束しませんが、道があることは教えてくれます。
何年ぶり、という夜
ある方から、夜に一度も起きずに、ここ数年でいちばん長く眠れた、というご報告をいただいたことがあります。
特別なことをされたわけではありません。その日の日中に、緩む時間があっただけでした。
途切れる眠りをそのままにしておくと、日中の張りが抜けないまま夜を迎え、夜も抜けないまま朝を迎える、という輪ができあがります。年月が経つほど、この輪は太くなります。
眠りが浅いのは、体質だからだと考える必要はありません。夜のあいだに警戒が解けていない、というだけです。朝、体が重くて動き出せない日にも書きました。
その夜のことを書いてくださった方の言葉を、ご紹介します。
参加者の方から届いたお便りより